万里の長城マラソンを走ってみた体験談を書いておこう
どうも、Kenです。人参エキス、注入です。
中国の北京にある世界遺産「万里の長城」。
総長6,000km以上にも及ぶこの遺跡は観光名所としても有名で、毎年たくさんの観光客が訪れることで知られています。
そんな観光地として人気の万里の長城でマラソン大会が開催されていたのです。
その名も、
万里の長城マラソン(Great Wall of China Marthon、通称GWCM)
です。
今日はこの万里の長城マラソンに参加して、死にそうになりながらも7時間ほどで完走できたので、その体験談を忘れぬうちに書き留めておこうと思います。
- レース当日の朝
- レーススタート
- レース完走後
万里の長城マラソンのレース前当日
万里の長城マラソンのレース当日(2018年5月1日)の朝に遡って体験談を書いていきます。
2:30 am 起床
万里の長城マラソンは一度「神舟国際酒店」というホテルに集合し、そこからシャトルバスで万里の長城へ向かうことになります。
当初は5:30am集合という予定だったのですが、急遽、なぜか知りませんが集合時間が1時間早まり4:30amに。
そのため、集合場所の神舟国際酒店から少しばかり離れたシーユアンホテルに宿泊してしまっていたので結局、2:30amに起床しました。
箱根駅伝の選手並みに早起きしてしまっている気がしましたね笑

ただ、前日の夜はとんでもなく寝つきが悪かったです。
明日の朝に2:30amに起床しなければならなうというプレッシャーと万里の長城マラソンの恐怖からか、なかなか寝付けず。
23時ごろに布団に潜りましたが結局寝れたのは1amぐらいで、合計の睡眠時間は2時間も取れませんでした。
起床すると、前日の夜に仕込んでおいたゼッケン付きのウェアを着込み、ランニング用のバックパックに1.5Lの水とウィダーゼリー4個を投げ込み準備万端。

朝食は前日に買い込んでおいたパン、バナナでした。
3:40am 出発
雨具をウィンドブレーカー代わりとしていざホテルを出発です。

北京市の午前3時はかなり過疎っていて、誰もいない暗い時間帯でした。

4:15 am 神舟国際酒店に到着
徒歩25分ぐらいかけて会場の神舟国際酒店に到着。
ホテルの1階に日本人用の点呼のデスクがありましたので、自分の名前を告げて到着したことをチェックしてもらいます。

ロビーは世界中から集まってきたランナーたちで溢れかえっており、ここでトイレに行ったり、朝食のハンバーガーを受け取ったりしていました。

ホテルの外には4台ぐらいのシャトルバスが停車しており、点呼が終わって準備完了したランナーから順番に乗り込んでいきます。
4:50 am バスが出発
4時半にバスは出発予定でしたが、なんだかんだ4:50にバスが神舟国際酒店を出発。

バスの席でランナーたちは思い思いの時間を過ごします。

6:15am バスが万里の長城に到着
出発から1時間30分弱でバスは万里の長城へ到着。
会場となるのは数ある万里の長城マラソンのゲートのうち、
八達嶺長城
という城のエリアです。

ランナーたちはバスを降りると思い思いの時間を過ごします。

ウォーミングアップを始めるものもいれば、荷物の預け場所に行くもののもあれば、トイレを探すものもいました。
7:10am 開会式スタート
到着から1時間弱で、開会式のセレモニーへ。
万里の長城マラソンをサポートとしてくれる大学生によるパフォーマンスがステージで繰り広げられ、ここでもランナーたちは思い思いの時間を過ごします。

トイレに行くものもあれば、ストレッチをして最終調整に入るものいましたし、ちゃんとパフォーマンスを鑑賞するものもいました。
万里の長城マラソンがいよいよスタート!
2018年5月1日、7:18am。
予定よりも48分押してついに万里の長城マラソンがスタート。戦いの火蓋が切って落とされました。

開始10分で最初の洗礼を浴びる
万里の長城マラソンのコースはもちろんスタート直後は普通のロード。
緩やかな坂を登って行くのですが、10分ほどすると万里の長城が現れます。

いきなり急な階段の連続で開始5分で精神的に病み、
「なんでエントリーしちゃったんだろうな・・・」
と万里の長城マラソンに出場してしまったことを後悔し始めました笑

それほどまでに最初に万里の長城の坂を前にしたときに絶望感がありました。
ほとんどが石できた階段で、とてもじゃないけど走って登れず、1歩ずつ階段を登って行く形で進んでいきました。

階段なしの下りがエグすぎる
一番死にそうになったのが下り坂。

階段を下るのはまだよかったのですが、万里の長城にはなぜか、
階段なしの急な下り坂
というものがありました。
下り坂が苦手だったので、前のめりにならぬように後ろに重心をあずけてちょびちょびと進んで行く他ありませんでした。

途中、周囲のランナーを観察していると、
階段なしの下り坂はギザギザに走る
という戦法を取っている方が多いことに気づき、真似してみたら足への負担が少なく走りやすかったのです。
この下り坂はギザギザ走り戦法を周囲のライバルたちから盗み取り、なんとか怒涛の万里の長城の下りを終えることができたのでした。
万里の長城区間終了→束の間の安息
万里の長城区間を終えると、そこはB地点。

B地点からF地点までは万里の長城のコースではないので、割と平坦なコースとなります。
しかし、まあ完全に平坦なわけではなく、F地点に向かって緩やかに下って行くような感じだったと思います。
景色としては、万里の長城とは遠くかけ離れた建設地帯。
どうやら万里の長城の近郊にリゾート施設を建設しようとしているためか、工事現場が多く見受けられました。
また、〇〇金属といった企業の看板も見た気がするので、もしかしたらこの一帯ではレアメタルが採掘できるのかもしれません、はい。
そういった殺風景の中をひた走って行くわけですが、この道中のランナーの心境としては、
「なるべく万里の長城の区間に戻りたくない」
「できればずっとここら辺を走っていたい・・・」
というのが本音でしょう。
それほどまでに万里の長城の区間と比べると楽に走ることができたのです。
再び、万里の長城へ
フルマラソンコースの場合、F地点で折り返して再び万里の長城の入り口のB地点を目指します。
再びこの万里の長城区間に対峙するのはちょうど半分ぐらいの21kmを過ぎたあたり。
今度は、怒涛のように下ってきた万里の長城の下り坂を今度は登り返します。

いや、ほんと、登っても登っても階段の連続。
しかも、階段の形をしていない上り坂まで混じっているのでまさに登り地獄。

B地点から始まる登り坂はピークの高度1,200mに達するまでひたすら登り続けます。
もはや、この地点で走っているランナーなど皆無で、ひたすら下を見ながら階段を登り続け、頂上を目指します。
ピークに達すると、徐々に下り坂などが混じり始めようやく息をつけるように。
ただ、今度は登り坂で転げ落ちぬよに走らなければならいのでここでも気が抜けません。
もう一往復
万里の長城区間を走りきると、スタート地点のA地点にカムバック。

このA地点はスタート地点であり、大会本部ということもあって、
食べ物、飲み物が充実しているステーションでした。
- ゆで卵
- スニッカーズのようなもの
- ハンバーガー
- サンドイッチ
- バナナ
- 水
- ゲーターレード
などが揃っており、ここで少し休んでから再び万里の長城を目指すことになります。

ハーフマラソンの選手はここでゴールですが、フルマラソンのランナーはこの魔のAB区間をもう一往復しなければなりません。
「あ、あともう一往復だね、いってらっしゃい」
という感じで運営事務局、観客から後押しされて再び走り出します。
2度目の最恐の下り
やはり、一番きついのがAからBにいく途中の最後の下り。

下りの区間が長く、しかも階段なしで難易度が高い。。
1回目に通ったときはともかく、すでに30km近く走ってきて疲労している体にはきついです。
階段を降りるたびに膝がキシキシと痛み、さらに、階段なしの下り坂では命を落とさないように慎重にギザギザにゆっくりくだらねばなりませんでした。
ぼくは下りが苦手だっため、ここで数人のランナーに抜かれて大苦戦。
ようやく万里の長城区間終了のB地点に到達することができました。
BからC地点の往復も地味にきつい
万里の長城の区間が終わったとはいえ、まだまだ気が抜けません。
B地点からC地点へはゆるやかな下り坂になっており、膝への衝撃はぬぐえません。
ようやくC地点に到達し、折り返し。

今度は緩やかに下ってきた坂を登り始めねばならぬのです。

万里の長城区間ラスト
再びB地点に戻ってくると、いよいよ最後の万里の長城の区間です。
1回目に経験したとおり、B地点から始まる登りがすごい。登っても登っても階段。まさにエンドレス登り階段。
しかし、他のランナーもこの最後の登り坂にへばっており、下り坂で追い抜かされたランナーたちを徐々に上り坂で吸収することができました。
走って登ってるわけではありませんでしたが、一歩一歩階段を登るだけでも順位をひっくり返せるぐらい、ほかのランナーも疲弊していたのです笑
最終的に地道にコツコツと階段を登り続けた結果、この最後の区間で5人ぐらいのランナーを抜き去り一気に順位を上げることができました。

終盤はあまりにも多くの階段を登り過ぎて感覚が麻痺。
なぜか知りませんが、
「もっと階段をくれ!くれ!」
というよくわからない境地に達していた気がします笑
ようやく怒涛のような登り坂を登りきり1200mのピーク地点へ。
写真を係員の方に頼んで撮ってもらったのですが、この時は笑う余裕すらなく、顔がくしゃくしゃ笑

万里の長城ピークに達した時の様子
ゴール
万里の長城区間が終わってからA地点に向かうまでは緩やかな下り坂。
ただ、下り坂は苦手な方だったので最後まで気を抜かないようにラストスパート。
なんとか無事にA地点に帰ってくることができ、万里の長城マラソンを完走することができました。

ゴールタイムは7時間16分ほど。
普通のマラソンとは異なり、坂を登ったり下ったりがほとんどだったのでイベントが盛りだくさんのためか、それほど長時間走っているとは感じませんでした。
制限時間の10時間に間に合い、完走扱いになったのでとりあえず良しです!
万里の長城マラソンのレース完走後
最後に、万里の長城マラソンのレース後のことも書いておきましょう。
完走メダル
まず万里の長城マラソンを完走すると、完走メダルがもらえます。

割と重量のある完走メダルで、2018年度版は万里の長城の上になぜか犬が印字されているデザインでしたね。

完走証を即時発行
自分のゼッケン番号を告げると、完走証をその場で印刷してもらえました。

レースの順位は書いてありませんでしたが、正式なゴールタイムがこの時点で判明します。

帰りのバスが一番きついかもしれない笑
万里の長城マラソンは実は帰りのバスが一番きついかもしれません。

まず、帰りのバスがなかなか出発しないのが痛い。
1台のバスが定員になるまで待つスタイルですが、参加人数が少ないのでなかなかバスに乗るランナーの数がたまらない。。
ランナーの中には前日にシャワーチケット(20元)を購入して汗を流す人々もいたのも時間がかかった要因なのかもしれません。
そのため、待ち時間を短くしたければ自分もシャワーチケットを購入するといいでしょう。
ぼくはシャワーチケットも購入しませんでしたし、割と早くゴールしてしまったので、早めに乗り込み過ぎて1時間、シャトルバスの中で腹式呼吸をして待機していました。
ようやくバスが出発したと思えば、今度は大渋滞に飲み込まれます。
5月1日は中国でも休暇のようでして、万里の長城周辺には数多くの観光客が集まってくるらしかったのです。
行きのバスは早朝だったので渋滞しなかったのですが、帰りは混み混み。
これはある意味まあ仕方ないです。
ただ、この事実を知らずにバスに乗り込むと、長時間バスの中にパックされることになり大変です。
トイレ休憩などもなしで2時間ぐらいかかりましたからね。
途中、トイレに行きたくなったランナーたちがなんとか中国人のドライバーを身振り手振りで説得し、おろしてもらって用を達したりしていました。
幸運なことに、ぼくの膀胱と糞道は比較的落ち着いており、合計で3時間バスの中にトラップされてましたが漏らすことなく解散場所の「神舟国際酒店」に到着できました。
3時間バスにパックされた後、ようやく解放されたのでゴールした後に食べようと決めていた吉野家の牛丼を注文。

よくわからないつぶつぶが入っていた牛丼でしたが、もう幸せだったことしか記憶していません。
翌日は筋肉痛との闘い
完走後の翌日はもちろん筋肉痛に襲われます。
特に、階段を降りるときに使う筋肉や関節たちが死んでおり、小さな段差でもおりるたびに痛みを伴いました。
北京の地下鉄にこんなに階段があるとはその時まで気づきませんでした笑
きわめつけは中国式のトイレ。
北京市といえども、洋式トイレはまだまだ少なく、おおよそ経験則で8割ほどは中国式のトイレでした。
中国式のトイレとはまあ言ってしまえば和式トイレのようなもので、けつをつけずにしゃがまないと用を達せないようになっているのです。
万里の長城マラソンの翌日とその翌々日はこの中国式トイレがうまく使えませんでした。
あえてしゃがみ切らず中腰のまま放出する、トイレットペーパーの取っ手にしがみつくなどの工夫を凝らして見ましたが、どの方法でも大苦戦。
万里の長城マラソンを走るまでこんなに和式、中国式のトイレが足に負担がかかるスタイルとは気づきませんでした。
世の中に洋式トイレが普及してきてよかったよかった。
これらの筋肉痛が完治したのは大会の1週間後。
やっとこさ下りの階段も手すりにつかまる必要がなくなり生活できるようになりました。
万里の長城マラソンのレース中もきついことはさることながら、終了後も筋肉痛と戦わねばらなぬことを肝に命じておきましょう。
よかったら「万里の長城マラソンの感想」も読んでみてくださいね。
それでは!
Ken
ランニング愛好家。
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